episode 1

 かんちゃんは小学校4年生の女の子。
パパ,ママ,6年生のお兄ちゃん,1年生の弟,3才の妹の6人家族です。
スポーツが得意で負けず嫌い,
いつもお兄ちゃんと張り合っています。

今日はかんちゃんの10才の誕生日。
パパとママはかんちゃんに内緒でサプライズパーティーを計画しています。

かんちゃんが習い事から帰ってくるまでに,
みんなで部屋の飾りつけをして,
ママはかんちゃんが大好きな料理を作って,
もちろんケーキもパパが買ってきてくれています。

料理ができるまでに,
一人ひとりかんちゃんにおめでとうの手紙を書きました。
まだ手紙が書けない,小さい子たちもパパに教えてもらって,
一生懸命書きました。

かんちゃんが帰ってきました。
サプライズは大成功。
ママのおいしい料理を食べて,
前から欲しかったプレゼントをもらって,
みんなが手紙を読んで。

かんちゃんは大感激!!
これ以上の幸せはないかも。

最後にかんちゃんが泣きながら言いました。
『自分はいつもママに怒られっぱなしで,
ダメだなと思ってたんだけど,
ママそんなことないみたいな感じで思っててくれて,
嬉しかた』

   

   

  

episode 2

今日はパパの大事なお仕事の現場に,
家族みんなで参加することになりました。

すごく有名な人と一緒で,
パパにとってはとっても大きな仕事です。

パパも緊張しているし家族みんなも緊張しています。
パパはみんなに今どんな気持ち?
と聞きました。

かんちゃんは
『そこに自分がいていいのかな?』
『こんな人がいていいのかな?』

パパはびっくりして,「居ていいんだよ」と言います。

仕事が終わって,パパがみんなに今日の感想を聞きました。

かんちゃんは
『何もしゃべらなくて坐っているだけで,
じゃあ居ないのと一緒なのかな』

また,パパ「あれでよかったんだよ」とかんちゃんを褒めました。
パパはかんちゃんのネガティブな言葉をすぐに打ち消してくれます。

  

   

なんで自分は必要ないと思っちゃうんだろう?

 かんちゃんの家族は,テレビや映画の中のような理想的な家族です。

愛いっぱいで,パパもママも家族といる時間が多く,話も聞いてくれます。

お金もいっぱいあって何も足りないものはありません。

すべて満たされている。

こんな理想的な環境で育った子供は,やはり理想的な大人に育っていくと思います。

だから,2つのエピソードを見て,「なぜ? 」と思ってしまいました。

なぜか自己肯定感が低く,無価値感もあるんです。

いつも自分は必要ないと思ってしまう。

自信がない言葉を言うと,パパもママも全力で否定して,そんなこないよと良いところをいっぱい褒めてくれます。

それでも,ダメなんだと思ってしまう。

 

どこでこんな思いが芽生えたんだろう?

 

ここからは完全に想像なんですが,4人兄弟の上から2人めでお姉ちゃんという立場も関係あるのかなと思いました。

どうしても,中心が下の子たちになってしまうし,お姉ちゃんだから我慢することも多い。

なかなかわがままも言えないし,甘えられない。

それで,「自分はいてもいなくても・・・」 そんな気がしました。

こんな理想的な家族でも,無価値感を感じてしまうのであれば,普通の家族であればどうなんでしょう?

トラウマを沢山作って育ちますよね。

お父さん,お母さんは仕事で忙しくストレスいっぱい。

子供に当たってくるかもしれません。

家にはお金がないとか,人の悪口とかネガティブ言葉をずっと聞かされる。

それが潜在意識の奥底に染みついている。